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PARIS 2007 - Forme d'une Ville

PARIS 2007 - Forme d'une Ville

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A5サイズ / 48 ページ / 中綴じ / モノクロオフセット印刷 / 上質紙

「諸君、十九世紀は偉大である、しかし二十世紀は幸福であるだろう。」
— ヴィクトル・ユーゴー「レ・ミゼラブル」豊島与志雄訳


人々が幸福を目指した都市は、いま誰を幸福にしているのか。


レ・ミゼラブルの時代、19世紀のパリは革命、貧困、暴動、国家権力、都市改造の中心だったと聞く。人々は自由と平等と幸福を求めて立ち上がった。しかし、その後に来た20世紀は本当に幸福だったのか。戦争、占領、植民地主義の終焉、移民、資本主義、観光都市化、郊外問題、テロ、分断。21世紀に入ってもなお、20世紀の結果を背負ったまま、パリはそこにあった。

20代の頃、私にとってパリは特別な街だった。ひたすらに街を歩き、もっと写真を撮っておくべきだったと悔やまれる。そして2007年がその最後の旅となった。その時のパリは、19世紀の革命と20世紀の希望を背負いながら、濡れた舗道とカフェと新聞スタンドの中に、まだ古い都市のかたちを残していた。縁遠くなって久しい。あれから19年が経った現在、パリはどんな都市になっているのか。その街並みは美しくなったと聞くが、より安全になったのか。より豊かになったのか。より住みやすくなったのか。それとも、かつて幸福を約束されたこの都市は、別の不安を抱え込んだのか。

当時撮った写真を、19年後に編集することの意味を考える。若い撮影者と歳を重ねた編集者のあいだに横たわり重くのしかかる19年は、被写体である都市の時は刻まない。あの時の私は社会問題に疎く、表面的な都市構造しか見ていなかった。インスピレーションにだけ頼った、意味があるようでいて、その場所、時である必然性のないショットで溢れかえっていた。セレクト中、しばしば撮り直しに行きたい衝動に駆られる。だが、あの時のパリにはもう触れられない。残されているのは、現在と過去、2つの時間が重なったこの写真だけだ。

現像している最中にふと、現在自分が住む東京の街づくりに意識が移る。どの国でも人は住まう都市を良くしようとする。革命を起こし、制度を作り、道を整え、建物を壊し、広場を作り、移民を受け入れ、観光客を呼び、経済を回す。しかしまた、都市は常にその意図を簡単に裏切る。幸福のために作られた都市は、別の誰かを押し出す。自由のために開かれた街路は、監視と不安の場所にもなる。豊かさのために磨かれた都市は、価値が上がるほどに生活者を遠ざける。それでも人はまた、都市の構造に夜明けを見る。

本作は、都市を良くしようとした人間の意志が、どこへ流れ着いたのかを問うためのきっかけとなる記録である。ドキュメンタリーモノクロシリーズ『SHIBUYA 2025 - Ashen Reincarnation』に続く、二冊目として制作した。

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